NHKにようこそ！

「ＮＨＫにようこそ！」という作品を知っているだろうか？

私がこの作品に出合ったのは中学生くらいのときだった。初めて題名を見たとき「NHKに入社してアナウンサーとか目指す話かなー　あんま面白くなさそうだなー」とか思っていた。が、読んでみると全然違った。むしろそんなさわやかな話とはかけ離れたヤバイ作品だった。なにがやばいって、まず主人公の佐藤君（大学中退、しかしそのことは親に黙って仕送りもらいつつ引きこもり生活中)がマジックマッシュルームでラリっていて「俺が引きこもっているのは俺が悪いんじゃない！日本引きこもり協会の陰謀だ！」というシーンから始まる。こんな作品あるだろうか。（少なくとも中学校の図書室にはおいてちゃダメな気がする。）そのシーンに続く本編の内容もなかなかエグいというか救いのないかんじで読んでるこっちが辛くなってくる。佐藤君のほかにも高校時代の後輩とか先輩とか出てくるのだが、自作エロゲーの制作に人生かけてたり鬱ぽかったりみんな人生うまくいってない。ただそんな佐藤君のところに宗教の勧誘で岬ちゃんという女の子が訪ねてきて何やかんやあって一緒にひきこもりを脱出しようというお話である。

　読んだ当時中学生で、あんまりにも佐藤君のぐだぐだ具合がリアルだったので「大学やばいところやな気を付けとこう」と思ったものだが、その教訓は何も生かされずすごく佐藤君みたいな生活おくってて、びっくりした。もっと何とかならんかったもんか。岬ちゃんは現れず、このブログの共同執筆者の連中が酒持ってきて入り浸ってただけである。

 人生ぐだぐだなときに読むと主人公と境遇がシンクロしてやるせない気分になれる作品それが「ＮＨＫにようこそ！」である。読んでみてはいかがだろうか。ちなみに小節版と漫画版とアニメ版があるがどれも出来がいいので全部見てみることをお勧めする。